LINEビジネスマネージャーとは?できること・活用事例・開設方法を解説
LINE公式アカウントLINE活用2023/5/9
LINEを使えば、友だちへのメッセージ配信や広告の配信など、さまざまな手法を使って企業はユーザーに訴求できます。その効果をさらに高めるためには、得られたデータを横断的に活用することが大切です。
この観点からおすすめしたいのが「LINEビジネスマネージャー」です。LINE内外のデータを共有するための基盤で、これを活用すれば、蓄積したデータを異なる消費財やアカウントに対して使えるようになります。
この記事ではLINEビジネスマネージャーでできること、活用事例などを以下で詳しく解説していきます。
1. LINEビジネスマネージャーとは

「LINEビジネスマネージャー」とは、LINE・パートナー企業・クライアント企業が保有するデータを収集し、統合する基盤のことです。横断的なデータ管理およびデータ分析、オーディエンスの共有などを行うのに役立ちます。
LINE内で蓄積されたデータはもちろん、LINE外で広告主として蓄積してきたデータなどもアップロードし、まとめて管理することが可能です。
似た機能に「クロスターゲティング」が挙げられます。広告サービスに関する横断的データ活用はクロスターゲティング機能により実現可能で、同機能は主に広告配信の最適化を担っています。しかしクロスターゲティングはすべてのサービスを横断する共通基盤ではありません。
これに対してビジネスマネージャーは、より広範なデータ利活用の機能を体系化しています。ビジネスマネージャーが登場した背景として、サードパーティCookieに対する規制が関わっています。
近年、プライバシー保護に対する機運が世界的に高まっており、Cookieによるトラッキングを防止する機能の強化が各ブラウザで進められています。こうした技術的な問題もあり、サービスをまたいだデータの利活用が容易ではなくなってきているのです。
そんな中でも、LINEを使った横断的データ活用が実現できるとして、ビジネスマネージャーは企業に使われています。
2. LINEビジネスマネージャーでできること

ビジネスマネージャーでは、データ収集・統合、オーディエンス活用、分析・レポートの3つのことができます。
データ収集・統合
「LINE Tag」「LINE Conversion API」を使うことでデータ収集をすることができます。
・LINE Tagとは
配信したメッセージによるコンバージョン(商品購入や資料請求などの最終成果のこと)を確認するための機能。Webサイト上にタグを設置することで友だちの行動を計測します。
・LINE Conversion APIとは
広告主が保有するデータをLINEに送信するためのAPI。LINE Tagから取得するデータはLINEのサーバーに直接送信されますが、LINE外で取得したデータは自社サーバーで保存されます。そこで自社サーバーのデータを送信するために利用されます。
オーディエンス活用
自社が持つ複数のLINEアカウントやプロダクトを横断したオーディエンスの共有ができ、ユーザーとのコミュニケーションの最適化と効率化を実現します。
・オーディエンスとは
ターゲティング設定の1種。メッセージの配信等を詳細なターゲティングで実行し、配信の効率化が可能。
最適化を図る機能
分析・レポート(※構想段階)
LINEなど複数のサービスから得られたデータとかけ合わせた分析を実行し、新たなインサイト創出を目指します。
ビジネスマネージャーで蓄積できるデータ
ビジネスマネージャーでは幅広いデータが蓄積・共有できます。たとえば次のようなプロダクトによるデータが対象です。
・「Talk Head View(トーク画面上部に出稿される広告)」に関するデータ
・静止画のバナーをクリックしたユーザーや動画に接触したユーザーなど
・「LINE広告」に関するデータ
・LINE Tagのトラッキング情報のリスト、画像をクリックしたユーザー、動画に接触したユーザー など
・「LINE NEWS TOP AD(LINE NEWSのトップに表示される動画広告)」に関するデータ
・静止画のバナーをクリックしたユーザー、動画に接触したユーザー、動画の“詳細はこちら”をクリックしたユーザーなど
これらのほかにも、メッセージを開封したユーザー、メッセージ上のリンクをクリックしたユーザー、アップロードしたユーザーのIDリスト、友だち追加経路別のリスト。さらにアップロードした自社の顧客の電話番号やメールアドレスなどLINE外のデータなども蓄積可能です。
ビジネスマネージャー活用で期待できる効果
ビジネスマネージャーを活用することで期待できる効果として、「効率的に友だちが増やせる」ということが挙げられます。
反応のよかった友だちと類似するユーザーに広告配信ができることで、効果的なアプローチがかけやすくなります。
また「客単価の向上」も期待できます。異なる商品やサービスを横断するキャンペーンを行い、メッセージ配信や広告配信につなげることで、クロスセルによる客単価の向上が狙えます。関連する商品、興味のあるブランドを示しやすくなり、顧客1人あたりの価値を高められるということです。
3. LINEビジネスマネージャーの活用事例

活用事例からビジネスマネージャーの具体的な使い方をイメージしていきましょう。
異なる商品を扱うアカウントの友だち追加広告を配信
通常、LINE広告に紐づいていないアカウントの友だちオーディエンスを共有することはできないのですが、ビジネスマネージャーに接続することで、この共有が可能となります。
この仕組みを利用して、異なる商品を扱うアカウントの友だち追加広告を配信した事例があります。ターゲットが類似する別のアカウントのデータを用いることで配信結果が高まり、クリック率やコンバージョン率も高まったとされています。
複数アカウントを持っており各アカウントのターゲットユーザーが類似している場合、ビジネスマネージャーによるオーディエンス共有によって、広告から友だちを効率的に獲得できるようになるということです。
企業の保有データを複数アカウントやLINE広告と一括共有
ビジネスマネージャーでは、LINE外で得られたデータを共有することもできます。
この仕組みを利用すれば、連携するすべてのアカウントを効率的に運用することができるようになるでしょう。店舗ごとにアカウントを持っている場合でも、個別に電話番号やメールアドレスなどをアップロードする必要がなくなります。また、どのアカウントに情報が共有されているのかも明らかになります。
電話番号オーディエンス、メールアドレスオーディエンスを共有し、スムーズなLINE広告の実施をするためにビジネスマネージャーが役立つでしょう。
4. LINEビジネスマネージャーの開設

ビジネスマネージャーは、次の手順に沿って設定等を進めていけば利用が開始できます。
・ビジネスマネージャーの管理画面にログインする
ビジネスマネージャーの概要ページから、ビジネスマネージャーの管理画面にアクセスできます。その後、LINEビジネスIDを入力してログインします。
・組織を作る
「組織を作成」をクリックし、組織の名前、利用する国を入力します。
・組織へのビジネス情報の登録する
認証審査を受けるため、ビジネス情報の登録が必要です。ビジネスマネージャー管理画面の「ビジネス認証」から「ビジネス情報の追加」をクリックし、必要な事項を入力します。その後「作成」ボタンをクリックして情報を保存します。
・組織に公式アカウントやLINE広告を接続する
・公式アカウントの接続
「LINE Official Account Manager」で組織IDを入力します。その後ビジネスマネージャー側で承認を行えば接続完了です。
・LINE広告の接続
LINE広告の管理画面で組織IDを入力します。その後ビジネスマネージャー側で承認を行えば接続完了です。
※「LINE NEWS TOP AD」「Talk Head View」の広告アカウントも同様に接続可能。
・LINE Tagやオーディエンスをアカウント間で共有する
「リソースを追加」をクリックして、各アカウントに共有するLINE Tagやオーディエンスを指定できます。
その他ビジネスマネージャーの取り扱いに関する詳細は、LINE公式の「マニュアル – ビジネスマネージャー」にて確認できます。
インキュデータ株式会社

- コラム編集チーム
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