LINEでセグメント配信:公式ツールと外部ツールを使う方法をそれぞれ解説
LINE公式アカウントLINE活用2023/5/9
LINE公式アカウントを使えば「セグメント配信」ができるようになります。メッセージの送信先を絞り込む機能によりセグメント配信を実現でき、この機能を使いこなすことでより効果的なLINE運用ができるようになります。セグメント配信とは何か、LINEでどうやってセグメント配信を行うのか、この記事で説明していきますので役立てていただければと思います。
1. セグメント配信とは

セグメント配信の「セグメント」とはマーケティング用語の1種で、顧客・ユーザーを属性別に分けたひとまとまりのことを意味します。たとえば日本人全体に対し、“男性”や“20代”などと一定の条件で区分したときの集団を指します。
そのため「セグメント配信」とは、一定条件下で区分したセグメントに対して配信を行うことを意味します。
2. セグメント配信の効果・メリット

セグメント配信を行うことでどのような効果が得られるのでしょうか。特にLINEにおけるセグメント配信のメリットを紹介します。
ユーザーに対して効果的なアプローチができる
LINEを使えば友だち登録してくれたユーザーにメッセージを配信することができ、セール情報を載せたりクーポンを配布したりすることも可能です。
そして特定のユーザーに対してのみ意味のある配信を行うこともあるでしょう。
たとえば特定エリアのみで行われるセールの情報は、当該エリアに住むユーザーに対して送る必要があります。この情報を全国に配信をしても効果は薄いからです。
ここでセグメント配信が効果を発揮します。
ニーズのあるユーザーに対してアプローチできるため、LINE運用にかける労力に対して大きな効果が得られるようになります。
LINE公式アカウントでは、後述するように年齢や性別、エリアなどの情報でユーザーを仕分けることができます。また購買履歴による絞り込みもできるように設定すればより反応率を高めることができるでしょう。販売ページへの誘導率向上も期待できます。
ユーザーからのブロックを回避できる
友だち登録をしてくれた時点では、ユーザーは自社に対して興味や関心を持っている、あるいはポジティブな印象を抱いていることが多いと考えられます。しかし友だち登録をした結果興味のない情報ばかり配信してくるようでは、いずれそのアカウントからの配信を煩わしく感じるようになるでしょう。
関心がない、関係のない配信が頻繁に行われている場合には、ブロックをすることになるかもしれません。セグメント配信により必要範囲内に絞った配信を行えば、こういったリスクを回避しやすくなります。
コストカットができる
無駄な配信をしないことがコストカットにもつながります。LINE公式アカウントの登録自体は無料ですし、メッセージの送信も無料で行うことは可能です。しかし無料で利用できる「フリープラン」では毎月送ることのできるメッセージ数が1000通に限られます。有料の「ライトプラン」でも1万5000通、1つ上の「スタンダードプラン」でも4万5000通までのメッセージ数に限られます。(有料プランでは追加料金を支払うことでさらに送信可能)
大量のメッセージを送るほどコストの負担が大きくなってしまいますので、むやみにメッセージを送るのではなく、“少ないメッセージ数で大きな効果を得る”ということを意識する必要があります。この観点からも、セグメント配信を行うことにはメリットがあるといえます。
3. セグメント配信の方法

それではセグメント配信をする方法について説明していきます。まず知っておきたいのは、LINE上で「セグメント配信」という名称の機能が搭載されているわけではない、ということです。そこでセグメント配信を行う方法としては、“LINE公式アカウントの管理画面から使うことができる「フィルター機能」の活用”が挙げられます。
もう1つの方法が“外部サービスを使ったセグメント配信”です。それぞれの配信方法を以下に示していきます。
LINE公式アカウントの管理画面で設定する方法
LINE公式アカウントの管理画面からは、メッセージ送信に関するさまざまな設定を行うことができます。過去の送信情報やエラー配信の情報、送信予約など、一般ユーザーのアカウントには備えられていない機能がたくさんあります。
フィルター機能もその1つで、もともとLINE上に標準で搭載されている機能であるため別途費用を負担する必要もありません。この機能を使えば、友だちになってくれているユーザーを①属性、②オーディエンスの2つから絞り込んでセグメント配信ができるようになります。
「属性」には次の5つがあります。
・性別
・年齢
・エリア
・友だち期間
・OS
そのため、“関西に住んでいる30代の女性”、“6日以内に友だちになった男性”、“Androidを使っている全ユーザー”などと属性でユーザーを分けることができるようになります。「オーディエンス」によるフィルターを効かせると、ユーザーの起こしたアクションなどに基づいて絞り込んでいくことができます。
たとえば“過去に配信したリンクをクリックした”、“過去に配信したメッセージを開封した”、“特定の経路から友だち追加をした”などの要件に該当するユーザーでオーディエンスを作成し、フィルターをかけることができます。すでにオーディエンスを作成できていれば、管理画面からメッセージ作成画面にアクセスし、「配信先」にて「絞り込み」を選択しましょう。「+オーディエンスを追加」から最大10個まで絞り込むことができます。
なお、属性でフィルターをかける場合には「+フィルターを追加」から絞り込めます。あとは通常のメッセージと同じように配信内容の設定、配信日時の設定をするだけです。
外部サービスを使って配信する方法
LINEの標準機能では満足いかない場合、外部連携・外部サービスの利用も検討するといいでしょう。LINE外のデータを使ってオーディエンスリストが作成できるソリューションとして「外部連携オーディエンス」があります。
自社に興味を持っている層を指す「1stパーティーデータ」、競合と比較段階にある層とまだサービスの認知ができていない層を指す「3rdパーティーデータ」を使った絞り込みができることで、LINE広告におけるターゲティングの精度が向上させられます。
また、「CRM」や「MA」などのツール、あるいは「CDP」を使ってセグメント配信を行うこともできます。MAは「マーケティング・オートメーション」の略で、マーケティング施策の自動化に役立つツール。CRMは「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略で、顧客情報の管理などを行うツールです。これらに対してCDPは「カスタマー・データ・プラットフォーム」の略で、顧客情報に関するデータ利活用に幅広く対応するためのプラットフォームです。
MAやCRMのほうが比較的用途がわかりやすく扱いやすいです。他方、CDPはデータ統合による顧客理解を深めるための基盤として機能し、扱いは難しいですがその分できることの幅は広いといえます。これらのツールの運用に慣れていない場合、まずはLINE標準機能で対応するか、専門の業者からコンサルを受けるなどして導入していくとスムーズにいくでしょう。
4. セグメント配信の活用事例

セグメント配信ではすでに多くの企業が実践し、成功実績を残しています。
たとえば化粧品メーカー「L’OCCITANE(ロクシタン)」の場合、LINE公式アカウントから商品を訴求し、セグメント配信経由でのEC売上を5倍以上に伸ばすことに成功しています。オンライン上のコミュニケーションが店舗以外の売上向上に貢献したのです。
参考:https://www.linebiz.com/jp/case-study/loccitane2/
また、通販事業を行う「QVCジャパン」も購買履歴に基づいてセグメント配信などの施策を実施。これにより、LINE公式アカウントを経由したECサイト新規会員登録を数倍伸ばすことに成功しています。
参考:https://www.linebiz.com/sites/default/files/media/jp/case-study/dl-pdf/qvcjapan_01.pdf
【参考】
https://data.linebiz.com/solutions/audience-partners
https://www.linebiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/broadcast-demographic/
インキュデータ株式会社

- コラム編集チーム
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