ソーシャルログインを導入する上で比較するポイント
ソーシャルログイン2022/9/26

サイトやアプリにソーシャルログインを導入すると、Webサービス固有のIDやパスワードを管理・入力する必要がなくなるため、ユーザの利便性は大幅に向上します。
ソーシャルログインには複数のSNSアカウントを利用できますが、それぞれ利用しているユーザ数やその属性などに違いがあります。このため、導入にあたってはそれぞれの特徴を比較してより自社サービスにユーザを誘導しやすいものを選ぶことが大切です。
そこでこの記事では、ソーシャルログインに利用できる主なアカウントの特徴や比較選定する際の注意点について解説しますので、参考にしてください。
※目次※
- ソーシャルログインで実現できること
- 主なアカウントの特徴
- ソーシャルログインを比較する際の注意点
- ソーシャルログインサービス「Loghy」のご紹介
ソーシャルログインで実現できること

ソーシャルログインとは、SNSサービスなどのアカウントに登録された情報を利用して、別のWebサービスの会員登録やログインができる機能です。
Webサービスを行っている事業者にとっては、ユーザの利便性向上により登録・ログイン時の離脱防止につながることはもちろん、マーケティングなどに活用できるユーザ情報を取得できることも魅力です。
ログイン時の離脱防止
急速に社会のデジタル化が進み、日常で使うサービスの多くがオンラインで提供されるようになっており、インキュデータの「2021年度ソーシャルログイン利用状況調査レポート」によれば、約6割の人が「オンラインサービスにログインする」と回答しています。しかし、ユーザにとってログイン時にIDやパスワードを入力する負担は小さくありません。
会員登録時にSNSなどのアカウントと連携しておけば、その後はアプリやサービスサイトにあるアカウント名が表示されたボタンをタップするだけでログインできるため、入力ミスやID・パスワード忘れによるユーザの離脱防止につながります。
※参考:インキュデータ「2021年度ソーシャルログイン利用状況調査レポート」
ユーザの情報取得
ソーシャルログインでは、サービスへの登録時に連携するSNSなどのアカウント情報(の一部)が入力フォームに読み込まれます。これにより、ユーザの入力工数削減につながるのはもちろん、取得した情報を利用できることもWebサービス事業者にとっては大きなメリットといえるでしょう。
具体的には、自社で保有するユーザIDと組み合わせて、きめ細かなマーケティング活動などに活用することが考えられます。
主なアカウントの特徴

ここではソーシャルログインで利用できるWebサービスのアカウントを6つ取り上げ、それぞれの特徴を説明します。Instagramや楽天、Amazonなどその他のアカウントのソーシャルログイン利用率は1.1%であるため、特別な理由がない限り取り上げる6つのアカウントに対応していれば、ほぼ全てのユーザにソーシャルログイン環境を提供できるでしょう。
なお、以下の説明で用いるアカウントの利用率は総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」、ソーシャルログイン利用率はインキュデータ「2021年度ソーシャルログイン利用状況調査レポート」に基づいています。
※参考:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
インキュデータ「2021年度ソーシャルログイン利用状況調査レポート」
LINE
LINEは90.3%と全年代利用率が最も高いSNSサービスです。交流やコミュニケーションではなく、連絡手段として使われることが多いのがその理由と考えられます。このため、ソーシャルログインにおける利用率も29.0%と、全てのアカウントの中で最も高くなっています。
ソーシャルログインを利用すると、LINEに登録した氏名や誕生日、メールアドレスといった情報を会員登録時のフォームに反映されます。また、企業の公式LINEアカウントの友だち登録を促す「自動友だち追加機能」も活用できるようになります。。
Yahoo! JAPAN
Yahoo! JAPANは、Yahoo!メールやYahoo!ショッピング、ヤフオク!、PayPayなどを利用するために必要なアカウントです。日常的に使う複数のサービスに対応していることもあってか、ソーシャルログインの利用率は22.8 %と、LINEに次ぐ高さとなっています。
Yahoo!ショッピングやヤフオク!のユーザは、Yahoo! JAPANアカウントでの配送に必要な情報を登録していることが多く、これらのうち郵便番号や都道府県、市町村についてはフォームアシスト時に取得可能となります。ソーシャルログインを利用して詳細な情報を取得したいと考えている事業者にとっては魅力的なアカウントといえるでしょう。
Googleアカウントは、GmailやGoogleドライブ、Googleドキュメント、YouTubeなどビジネスからプライベートまで幅広い用途のWebサービスに利用されています。このため、用途に合わせて複数のアカウントを所持している人も少なくありません。
このため、ソーシャルログインでの利用率も高く、LINE、Yahoo! JAPANに次ぐ22.3%です。複数のアカウントを導入する場合には、押さえておきたいアカウントといえるでしょう。
Twitterの全年代利用率は 42.3%ですが、年代別で利用率に大きな違いがあります。10代(67.6%)や20代(79.8%)の若年層ではかなり高く、中でも20代では前年に比べ10ポイント以上増えています。一方で30代以上では50%に達している年代がありません。ソーシャルログインにおける利用率は13.8%で、20%超のLINE、Yahoo! JAPAN、Googleとはやや開きがあります。
Twitterには「リツイート」機能により、情報を不特定多数の人々に拡散しやすいという特徴があります。若年層における自社サービスの認知度や利用者数拡大を狙う企業には魅力的なSNSです。
Facebookは、ここで取り上げたSNSサービスの中では全年代利用率が最も低く31.9%です。10代(19.0%)、20代(33.8%)の利用率が低い一方で、30代以上の利用率はLINE以外のSNSサービスと拮抗しているのが特徴です。ソーシャルログイン利用率も8.3%で、ほかのSNSサービスより低くなっています。
ただし、Facebookは実名登録が基本となるため、正確なプロフィール情報を会員登録フォームに反映できる可能性が比較的高いというメリットがあります。
Apple
AppleIDは、iPhoneやiPad、MacといったApple製品を利用するときに使われます。ソーシャルログインの利用率は2.5%にすぎませんが、SNSサービスにはないセキュアな機能が特徴です。
例えば、ランダムなメールアドレスを作成してソーシャルログインに利用できる「メールを非公開」という機能により、個人のメールアドレスを提示する必要がありません。ソーシャルログインに他アカウントを使用しているAppleユーザで、セキュリティを重視する人がAppleIDにシフトする可能性はあるでしょう。
ソーシャルログインを比較する際の注意点

ここでは、自社サービスで利用することを前提にソーシャルログインを比較する場合の注意点として「①導入目的を明確にする」「②アカウントの特性を把握する」「③実装方法」の3つを取り上げ、分かりやすく解説します。
①導入目的を確認にする
ソーシャルログインの導入はユーザの利便性向上につながりますが、費用を含めそれなりの負担も発生します。このため、導入目的を明確にして優先順位に基づき比較することが大切です。
具体的には、サービスの利用者数を増やしたいだけであれば、アカウントの全世代利用率やソーシャルログイン利用率が基準になります。一方で、ユーザ情報も重視するのであれば連携時に取得できる内容の優先順位が高くなるでしょう。
②アカウントの特性を把握する
前項で説明したように、ソーシャルログインに利用できるアカウントにはそれぞれ特徴があります。
例えば、LINEは全世代利用率、ソーシャルログイン利用率のどちらもトップですが、無条件で取得できる情報はあまり多くありません。また、Facebookは全世代利用率こそあまり高くないものの40代以上のユーザが多く、実名登録が基本で取得できる情報も比較的多いといった特徴があります。
このようなアカウントごとの特性を把握して比較しないと、自社サービスに合ったアカウントの選択を誤る可能性があることに注意しましょう。
③実装方法
ソーシャルログインを自社のWebサービスに実装する方法には、自社開発と外部サービス利用の2種類があります。
利用者や取得する情報を増やすには、複数のソーシャルログインを実装するのが有効ですが、自社開発では数が多くなるほど、導入・運用のための費用や手間が増加します。これに対して外部サービスは定額料金が基本で、ほとんどが主要な複数アカウントに対応しています。このため、外部サービスを利用したほうが導入ハードルは低いといえるでしょう。
なお、外部サービスが対応していないアカウントを実装するには、自社開発するしかありませんので、比較する際にはこの点もチェックしておきましょう。
ソーシャルログインサービス「Loghy」のご紹介

ソーシャルログインを実装するための外部サービスを選ぶポイントのひとつは、利用率が高い複数のアカウントに対応しているかということです。自社開発より導入ハードルが低い外部サービスを利用しても、対応しているアカウントが少なければ、他のサービスに乗り換えなければならない可能性もあるからです。
インキュデータのソーシャルログインサービス「Loghy(ロギー)」は、LINE、Yahoo! JAPAN、Twitter、Facebook、Google、Apple、TikTokという7つのアカウントに対応しています。インキュデータの「2021年度ソーシャルログイン利用状況調査レポート」によると、ソーシャルログインにLINE、Yahoo! JAPAN、Twitter、Facebook、Google、Apple、TikTok以外のアカウントを利用しているユーザは約1%以下にすぎません。
各アカウントの仕様変更にはLoghyが対応しますし、2営業日以内に対応可能なサポート窓口を設けているため、初めてソーシャルログインを実装する企業や社内リソースなど運用に不安がある企業でも、安心して利用していただけます。ご興味がある方は一度気軽にお問合せください。
インキュデータ株式会社

- コラム編集チーム
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